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杉渕鐵良先生講座「『子ども集団を動かす魔法のワザ」の実際』感想記録

2011.06.06 Monday 21:32
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    SANY5988


    ○はじめに


    「今回の東日本大震災からの復興に向け、ボランティアなども一つの方法であるが,自分が担任している子どもたちを元気にしていく,自分の職務を全うするという方向も一つの方法であると思う。自分の実践は特殊なので,そのまま使うと大やけどをする。各自の持ち味の中で使えるものがきっとあると思うので,各自アレンジして使ってほしい。」
    このような杉渕先生のお話の後、早速、杉渕学級の映像を見せていただいた。
    ・あいさつリレー
    ・班学
    ・表現読み
    どれも、「リズム」「テンポ」「スピード」がすごい!杉渕学級の子どもたちの育ち、その事実を映像を通して知ることができた。特に、子どもたちが指名なしで大きな声で音読している様子,詩のあらわしている情景や心情をもとに、声量をコントロールしながら音読する様子が印象的であった。
    以下、杉渕先生の講座をお聞きし、心に残ったことを中心にまとめてみた。

    ○ユニット授業


     45分同じことをするのではなく,アラカルト的にいろいろ行っている。
     小学校では1時間の授業が45分と決められているが,どの学年でも,どのクラスでも本当に45分なのか。45分じゃなくてもいいのではないかと考えている。
     1講座の中島先生の模擬授業を受けて,その中で「漢字パドル」という活動を紹介していただいた。真ん中にある漢字を入れるとすべて熟語になる。(実際は一文字ずつ順に提示されていった。一文字ずつ表すことができないので,3段階に分けて示す)

    123
    仙 本

    仙 本

    仙 茶 本
    私 国 私 国
    林 林 公 仏 林 公

    「人」と考えた方が多かったが,ハズレ。ヒントは「みんなには未知」
    正解は文末に示します。

     子どもたちは,問題を解くのも好きだが,作るのも好き。この活動は簡単なので取り組みやすい。この活動を行うと,辞書を引いたことのない子も自然に辞書を引くようになる。
    また,こういう活動は必ず“おいしい”ところでとめる。そうすると休み時間もするようになる。(後半で2年生の漢字から1画の漢字,2画の漢字・・と順に見つける,片仮名が入っている漢字を見つける,食べられる漢字を見つける活動や広告から漢字を見つけるという活動も教えていただいた。)
     

    ○「班学」のビデオから(書籍「奇跡の子供たち」に書かれた学級の様子)


       時にはクラス全員で,時には班ごとに一人ずつ「おはようございます」とリレーしたり,名前を呼んで返事をしたりする活動。音読をしたり,県名を言ったりということがメニューとして決められている。どの子もしっかりとした大きな声を出している。リズムがいいので,それぞれが大きな声を出しているが騒がしいという印象はまったく受けなかった。
    このリズムに関して杉渕先生は「よくリズム・テンポが速過ぎるということが言われる。しかし,このテンポでなくては子どもたちがだれる」とおっしゃっていた。
     杉渕学級ではよく「リレー」を行う。(あいさつのリレー,音読のリレーなど)ごちゃごちゃと説明せず,5回も6回も行う。1回だと失敗することも5回6回と繰り返していくうちに成功してくる。はじめはぼうっとしていて聞いていない子もできるようになってくる。また,リレーの中では、自分の順番でなくても常に読んでいることを意識させていく。(担当箇所以外は声を出していないだけで、常に自分も読んでいるというイメージ。)
     リレーに関しては,早いリズムの中でも,どのように言えば相手が受け取りやすいかということを指導するという。相手にエネルギーをもらい,そのエネルギーを次の人に送っていくというイメージが大切であることも教えていただいた。例えば、コンビニやファミレスの店員の態度。おつりを渡すときに語尾を上げる。ちょっと目線を合わせる,時間にするとほんの1秒ぐらい。ちょっとした差異にこだわるかこだわらないかで大きな違いとなって表れる。
    杉渕先生の、「当たり前のことをどれだけ追求できるか。当たり前を積み上げると特別になる」という言葉が印象的であった。
     

    ○絶対的基礎


     ・子どもたちは無意識のうちに声を調整してしまっている。教室にいると無意識のうちに声が小さくなる。音読の時にも,外でやるととても小さな声に聞こえる。外で大きな声が出だせるようになって教室に戻ると声が変わる。その次は教室の中で,外にいるときのような声をイメージさせて読ませてみる。そうすることで心の無意識のブレーキが外れていく。
     ・かけ算は6の段からやる。普通は2の段から。2の段は「易」しい。「易」から入るから「難」に出会ったときにくじけてしまう。これを「難」から入るから,何度も繰り返して指導できるし,だんだんできるようになっていく実感を子どもも持つことができる。
     ・例えば,野球は初級者も上級者もキャッチボールや素振りをしてから練習に入る。子どもたちにも毎日取り組ませるべき「絶対的な基礎」があるのではないか。「絶対的基礎」ができているか着目した方がよい。
      
      このような解説をお聞きしながら,杉渕学級の映像を見せていただいた。「ぞうれっしゃがやってきた」の音読の様子,「おおきなかぶ」の英語の音読,歌の様子など。どれも子どもたちが物怖じすることなどが一切なく,力一杯のびのびと表現している。各学校の6年生は音読で,歌でどれだけ声を出し,表現することができるだろうか。

    ○「学級→楽級,学校→楽校」へ


     ・子どもたちは楽しくないと学べない。楽しい活動を積み重ねていくと,子どもたちが「開放」されてくる。「開放」されると何でも指導が入っていく。いろいろなクラスを参観していて見る規準は子どもたちが「開放」されているかどうか。
     ・担任をしていると目立つ子,騒ぐ子に関わることが多いと思う。しかし自分は全員と関わっていくことを大事にしている。その中で次の3つのバランスに気をつけてほしい。
    1みとる
    2診断する
    3指導する
     例えば,わがままをいって暴れる子。これをしつけがなっていないと叱ってもよくはならない。診断が間違っているから。本当は注目してほしいのだ,人間関係を求めているのだということが分かってくると指導の仕方が変わってくる。関係性ができると指導が入る。「近すぎず,遠すぎず」この距離感がとても大事。自分から近づいた方がいい場合と,相手が近づくのを待つ場合がある。何より「教師が愛する」ということよりも「子どもが愛されていると感じること」をめざしたい。
     また,子どもとの関係について次の3つのどれでつながっているかを考えてほしい。
    1 信(しん)・・・人間として信頼できる。安心できる。
    2 好(こう)・・・この先生が好き
    3 敬(けい)・・・子どもが尊敬できる。

    ※文中の「漢字パドル」の答え・・・・「道」

    感想


    • 事前に本を読んでいた印象では「怖い先生」という印象でした。そんな印象を持ってはじめのビデオを見たので表現読みの様子や歌の様子から,はじめはどちらかというと「『型』にはめて行く中で気づかせていくような指導なのかな」という印象をも持った。しかし,先生の模擬授業を受け,特に後半のお話を聞く中で,先生がビデオの様子にあらわれる以前に非常に「楽しさ」を大切に追求しているということ,個に対して想像を絶するほどのアプローチをなさっているということを知り,事前に持っていた私の杉渕先生に対する印象は大きく変わりました。また,講座の中で「子どもたちを解放する」という言葉を何度もおっしゃっていたのが印象的でした。杉渕先生というと「あいさつのリレー」や「表現読み」・「合唱」の子供たちの姿にインパクトを受けるが,その前提にある子どもたちへの接し方や指導にかける“思い”こそを自分の中に取り入れていきたいと思った。(和賀)
    • 「子どもの力(可能性)を伸ばすには、子どもが生き生きと開放されていることが大切。」
       今回の講座で杉渕先生から私が受け取ったメッセージである。杉渕先生は、「子どもの開放」というキーワードをもとに独自の実践を創り出された。杉渕先生の実践は、どれも「リズム」、「テンポ」、「スピード」そして、ユニークなネーミング名がつけられ魅力的だ。しかし、その形をそのまま自分の学級に持ちこんでも、本当の意味でうまく機能はしない。それは、その実践にこめられた本当の意図を理解していないからだ。
       「自分の実践は特殊なので,そのまま使うと大やけどをする。」全くその通りであると思う。優れた実践の形をマネることは悪いことではない、しかし、それだけではいけない。実践の背景を知ること、そして、自分が育てたい子どものイメージとの整合性を図る必要がある。
       杉渕先生の実践1つ1つが、目の前の子どもの成長を願う思考錯誤の結果生み出されたものであることを、今回の講座を通し再認識することができた。(増川)


    (文責「東北青年塾」:和賀&増川)




    「第21回東北青年塾 記録」目次


    1. 第1部 東北青年塾生模擬授業&ミニ講座
      1. 第2部 杉渕鐵良先生講座「『子ども集団を動かす魔法のワザ」の実際』」
      2. 第3部 杉渕鐵良先生ライフヒストリー・インタビュー(インタビュアー:阿部隆幸)



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