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(C)あべたか
1 アイスブレーキング
「学び合い」で大切にしていること
(1) イメージ
現在勤務校では、教務主任という立場で学級担任ではないが、社会科等で「学び合いの授業を行っている。その様子のVTRを見て、イメージをもった。
(2) 所属感
「所属感アップジャンケンゲーム」
阿部先生対学習者でジャンケンをしていくが、学習者が阿部先生に必ず勝つことができるよう、教師の様子をよく観察し、グループで相談しながら法則を見つけ出す。グループで取り組むことで、グループの所属感がアップ。
阿部先生が『これから始まる模擬授業では、この所属感を全体に生かしてください。』と伝える。
(3) 参加意欲
「学び合い」への参加意欲は、学級における“協力”できる度合いに比例する。つまり、“協力”できている学級の「学び合い」は加速していく。
2 模擬授業
『本日の東北青年塾開催地である福島県と言えば、「野口英世」です。「野口英世」と言えば、「千円札」です。
ということで、本日の授業課題は
| みんなが次のお札の肖像画人物を予想することができる。 |
です。』
学習カードに記入していく。
(取組の条件)
千円札、五千円札、壱万円札の人物を予想する。
全員が完成する。
参考資料は大いに活用してよい。(資料の数が少ないため、こちらでも協力が必要)
納得できる理由を書く。
理由を3人以上に説明して、納得してもらえたらサインをもらう。
他人の脳を活用しよう。
これから25分間活動し、その後着席する。
課題は、現在のお札の肖像画人物ではなく、未来志向型(答えが今の段階では不可能なもの)である。今回の学習者が大人でることをふまえた課題設定である。
阿部先生の説明後、学習者はヒントコーナーにある資料を取り、グループへ持ち帰って読み始める。一人一人がじっくり考えているグループ、人物について相談を始めるグループと、8つあるグループの取組は様々。
(グループ内での活動にとどまっており、グループ間のかかわりがない状況で)
阿部先生
『違う班には、違う資料があるなあ。』『女性ねえ、女性なら誰かねえ。』
『あと20分。グループの人とサイン交換なんてしないよね?』
とはたらきかける。
すると、一人、一人と少しずつ、他のグループに移動が始まる。
学習者の一人が立ち上がり、学習者みんなへ「ネット使えますよ!」の声。
阿部先生
『あと15分です。そろそろ3人からサインもらおうかな。』
とはたらきかける。
すると、どんどん立ち歩く学習者が増え、ペアになって説明を始める。
阿部先生
『助けてもらって下さい。』
と呼びかける。それぞれの考え方を認め合い、補い合うことが大切であることを伝えているように思った。
阿部先生
『説得力があればいいのです。』『全員ができるかなあ。』『大丈夫かなあ。』
※ここで、西川教授と阿部先生が現在の状況を見て、場づくりについて話し始める。
机を合わせて8つのグループを作ったことで、前半はグループ内での活動から一歩踏み出す学習者がなかなか出なかった。グループを作らず、スクール式にして十分に移動できる間をあけてやれば、活発に移動することも考えられたかもしれない。
阿部先生
『あと5分で席に着きます。』『目標達成、全員できるかなあ?』
と呼びかける。
学習者一人一人が一生懸命自分の考えを相手に説明している姿、それを一生懸命聞いて受け止めている姿、お互いに自分の考えを認めてもらったことを素直に喜ぶ表情が会場中で見られる。また新しいペアを組んで説明する時には、自信をもち、より意欲的な姿勢になっていく。
阿部先生
『あと3分です。』
学習者全員がペアをつくり互いに説明し合っている。
学習者から、「3人からサインもらっていない人いませんか?」の声。
阿部先生
『「3人からサインもらっていない人いませんか?」と言っている人がいます。すばらしいですねえ。』
『あと1分です。3人以上だから、4人、5人ともらっていいのですよ。』
と呼びかける。
阿部先生
『はい。席に戻ります。全員できたかなあ。楽しみだなあ。』
(全体で)
阿部先生
『聞きます。3人からサインをもらえた人手を挙げてください。助けてあげた人、助けてもらった人、手を挙げてください。その人に拍手!』
『めあてが達成できましたね。』
(終了)
※阿部先生は、最後に、誰かに発表してもらおうとも考えていらしたのですが、全員の満足を一番に考えて今回は発表を取り入れませんでした。
[授業を記録させていただいて]
豊かに学び合うとは、学級への所属感、参加意欲が大切であり、そのベースになるのが“協力”であること、そしてその中で、進んで人とかかわろうと一歩踏み出す自分のチャレンジをしていくことであると考えた。
阿部先生の学習者の実体を捉えた課題設定、全体、そして一人一人の学習者の「見えたこと」「聞こえたこと」「感じたこと」を的確につかんだファシリテーターとしてのはたらきかけはすばらしかった。特に、ファシリテーターとしての声がけで、学習者全体の動きがみるみる変わっていくのを目の当たりにして、「学び合い」の教育的効果の大きさを実感した。
(文責:東北青年塾「遠藤」)
「第15回東北青年塾 記録」目次
- 西川純講演「『学び合い』は簡単!」
- ポスター発表
- 阿部隆幸「模擬授業」
- ワークショップ「『学び合い』を深く理解しよう」
- 参加者アンケート